Liholiho Yacht Club
ユニオンスクウェアとグレースキャセドラルとほど近いところにこの店はある。 この日はSHN ORPHEUM THEATREで「THE BOOK OF MORMON」という、日本語で言うところの「モルモン教」をテーマにしたコメディミュージカルを観る予定だったため、その腹ごしらえである。
モルモン教については面白かったのでまた後日詳細を書くこととする。
目指すレストラン「Liholiho Yacht Club」は、ハワイアンとアジア料理をミックスさせた創作料理屋さんで、値段は少々張るものの、行って損はしないレストランだ。 サンフランシスコの道端に輝く青いネオンサインを目指そう。 予約は必須。
Liholiho Yacht Club
予定時間に来ると、まだ前の客が出ていないということで地下のバー「Louie's Gen-Gen Room」で時間を潰すことに。 お腹がいっぱいになってはもったいないので、アルコールのみ注文。 オーナーが日本好きなのか、 日本のウイスキーもたくさん置かれていた。 ニッカ、明石シングルモルト、白州、響などなど。
予約より少し早めに行って0次会もいいかもしれない。
20分ほどで前の席がようよう空き、端の窓際席に案内された。 ここのキッチンはオープンキッチンで、入り口から中に入ってくる途中でキッチンがよく見える。 オープンキッチンとひとくちに言っても日本で見るようなのとは様相が異なり、こうしたちょっとしたことだけでも面白い。
写真右を通って席まで向かう。 右奥の席に案内された。
では早速飲み物を頼むのだが、こちとら空きっ腹にアルコール。 すでに酔いは回っている。 ハワイアンということで華やかなカクテルを注文し、何を頼もうかしばし考えあぐねる。
結局、前菜2つとサラダ、メインにはココナッツカレーを頼むことにした。
まずは一皿め。
メニューをご覧になれば分かる通り、ここの料理にはいわゆる料理名がない。
説明には、
beef tongue, kimchi, cucumber, poppy seed steam bun 14.00
とある。
つまりは牛タン、キムチ、きゅうりなどなどをポピーシードの蒸しパンで挟んだものだ。 チャイニーズ・コリアンミックスという感じだろうか?
牛タンは柔らかく、腹が減っているのも手伝ってとにかく美味しい。 エキゾチックでいろいろな香りが口の中で入り混じり、とてもリッチな味だ。
続いて2皿めの前菜。
Oh my godness!! 私の好きなものが大体入っている。
カロリー、レバー、パイナップル、トースト、カロリー。
というのは(半分)冗談で、メニューには
duck liver toast, jalapeno, pickled pinapple
とある。 アヒルのレバートーストとハラペーニョ、酢漬けのパイナップルだ。
フォークとナイフでこんなうまいトーストを食う日が自分に来ようとは夢にも思わなかった(いや思ったかも)。 見た目にも美しく美味しい一品。
レバーの濃厚な味が酢着けのパイナップルと最高のタッグを組んでいる……濃厚なのに……しつこくない……お互いがお互いを引き立て合っている……これが……マリアージュ……などと感動していると酒が進む、進む。 ベロベロになりながらトイレへ小休憩。 トイレは先ほどのバーのある地下一階だ。 遠い。
順調に3皿め。 やっとサラダである。
食べたのが半年以上前ということもあり記憶が曖昧だ。
メニューには
chicories, niitaka pear, aged gouda, almond, sesame anchovy vinaigrette, thai basil pest
とある。 一応訳す(というほどでもないけど)と、チコリ、新高梨、ゴーダチーズ、アーモンド、ゴマとアンチョビのビネグレットソース(酢・オイル・ハーブなどで作ったドレッシング)、タイバジルペーストらしい。
料理のスキル云々に素材の時点で家庭ではマネできない代物だ。
チコリをこのようにしてサラダで食べるのはなんとも贅沢な食べ方なんだろうか。 そういえば都内に複数店舗あるアフリカ料理の「ひつじ屋」はチコリコーヒーが飲めるので、チコリを食べたことがない人は一度ご賞味あれ。 それとも最近のおしゃれなスーパーにはチコリが売っているのだろうか。 簡単に解説しておくと、「苦い白菜」。 でもキク科である。
そしてなぜこの一皿についてのコメントが関係ないものばかりなのかというと端的に記憶から消えてしまっていたからである。 なんとも惜しい。 でも絶対美味しかった(はず)。
さていよいよメインディッシュ。
最後の一皿はハマグリのココナッツカレーだ。 もはや文字通りだが、
manila clams, coconut curry, romanesco, fresh turmeric naan
ということで、マニラ産ハマグリ、ココナッツカレー、ロマネスコ、フレッシュターメリックナーーーーーン
ここでも出てきました、なかなか家庭には出てこない野菜シリーズ「ロマネスコ」。 ちなみに私の近所のスーパー(田舎)ではこのロマネスコがおそらく職員の発注ミスで一時期大量に売られていたことがあり、私の近所の一部界隈では人口に膾炙するようになったこのロマネスコ。 もともとの形は幾何学模様を立体にしたような形で、野菜としてはブロッコリーとかカリフラワーに分類される、と勝手に解釈している。 調べてみたら案外当たっていたようだ。 ちなみにロマネスコはどちらかというとブロッコリーとカリフラワーの祖先らしい。 お見それした。
ところでこのロマネスコ、カレーの中には見当たらないしサンフランシスコでロマネスコを食べた記憶も全然ないので気持ち程度に入っていたのであろう。 お腹はだいぶいっぱいであったが、ハマグリの出汁がココナッツカレーに余すことなく染み出しており、結局ナンも合わせてぺろりと平らげてしまった。
さてさて、料理はこちらで以上。
今まで創作料理の店にはなんとなく足を運ばず終いであったが、これを機に創作料理をもっと食べてみようと思った。
ハワイアンとアジア料理のコラボレーションが楽しめるLiholiho Yacht Clubの本サイトはこちら。 ギャラリーではもっと綺麗な写真でも料理を楽しむことができる。 すてき。